東京都心はビルばかりで平屋の建物が少な~い。地価が高いので仕方ないことなのでしょうけど、似たような風景が続いて味気なく感じるのは私だけでしょうか・・・。しかし、昔ながらの建物を残そうとしてくれる地主さんもいらっしゃるもので。
代々受け継ぐ土地に建つ築70年以上の木造平屋をカフェに、築50年以上のアパートは食卓やコワーキングスペース、シェアキッチンへとリノベーションした場所が西池袋にありました。この区画を西池袋のビル群にある谷、ニシイケバレイ と名付けたそう。
今回はニシイケバレイの中心となる古民家カフェとして、2021年12月1日にグランドオープンした Chanoma(チャノマ)への訪問記です。
場所・外観

都道441号からですとカレーチェーン「CoCo壱番屋」の横にある狭い道へ入っていきます。最寄り駅は東京メトロ副都心線の池袋駅ですが、要町駅からも同じくらいの距離。駅からは徒歩4~5分くらいと、電車でのアクセスは良好です。駐車場は無さそうでしたので近くのコインパーキング等へ。

ビルだらけの場所に突然現れたのは純和風の木戸門。江戸時代のものだそうで、壊さずに今まで残してくださったのは素敵なことですね!ここの地主であるニシイケバレイのオーナー、深野氏の表札がそのまま掲げられていました。

門はあるものの、周りを囲んでいた塀は撤去したのだそうで、カフェらしくオープンな雰囲気。お庭の緑も綺麗ですね。コンクリートだらけの街にあってはオアシスのような存在にも見えます。たわわに実る柚子の木も風情があるなあ。
店内に入ると、キッチンカウンターにいたスタッフさんが元気良く迎えてくださいました。まずは注文と会計を済ませます。
店内の様子

許可をいただき、空席だったところを撮影。入口付近は外と一続きの土間になっており、テーブルが3卓。外にはテラスもあり気軽にティータイムを楽しむことができます。

さらに靴を脱いで上がる座敷があり、こちらはすべてちゃぶ台席となっていました。2間合わせて16畳ほどの広さですが和室に5卓、和室横の廊下に1卓。計6卓とかなりゆったりした客席配置です。運良く、座敷席が空いていたので今回はこちらを利用させてもらいました。

畳に座ることは、現代、しかも東京においては数多くはできない体験になるのでは? しかも池袋のカフェでというのは・・・・ちょっと感動に近い気持ちが湧いてきてしまいました。BGMは洋楽でしたが、和室にはスピーカーを置いていないようで、土間の方から聞こえてくるような感じでしたね。
メニュー概要
スイーツは、台形の型で作る濃厚なムースのような テリーヌ が中心。季節限定のものなどバリエーションが数種類あるのも面白い。ドリンクはシンプルな構成のものが多いですが、ソイラテ、オーツラテと植物性ミルクも取り入れていました。コーヒーの豆は山口県萩市の「Nero Bake」のものを使用しているそうです。

このちゃぶ台で飲むにはお茶が合いそうだと思い、抹茶ラテを注文しました。季節限定のテリーヌは、山形産の無農薬さつまいも と 京都の和束産の有機栽培のほうじ茶 というこだわり食材の組み合わせ。

さつまいもの部分は滑らかなスイートポテトのようで、ほうじ茶部分はホワイトチョコがベースかな? 香ばしさとねっとりとした甘さが楽しめました。2つを同時に味わってもおいしい。さつまいもチップスのカリカリ食感がちょっとあるのも良いですね。

温かさを感じながら飲めるようにと、取っ手無しの器で提供される抹茶ラテ。西尾の御薄茶がベースだそうで全体的にはミルク感が強いですが、その中にお出汁のような旨味を感じ取れます。砂糖無しで提供されるほど優しいお味になっています。濃茶を使用する抹茶ラテの味を期待するとイメージ違いになりそうですけれども、これも個性、お店の味なのでしょうね。

ニシイケバレイの小道にはいろいろな植物が育っており、ちょっとピクニック気分が楽しめます。通行する方も意外と多くいらっしゃいましたね。この場所の前身である エコマルシェ から続く味噌仕込み会などのイベントが行われたりすることもあり、人々のつながりを生み出しているそうです。池袋という都会の中心地でもこんな場所ができるとは驚きでしたし、今後もあり続けて欲しいなと思いました。

小道で結ばれた場所には、アパートを改装したレストラン Syokutaku(食卓)と、コワーキングスペース・シェアキッチンの Attic(屋根裏)があり、ひとつの街のような構成になっています。シェアキッチンは曜日で出店者が異なり、Chanomaが「Chanoma Hanare」としてシェアキッチンでも営業する曜日があるので、タイミングが合えばそちらにも伺ってみたいですね。
店舗情報
