佐野にある「珈琲音」(かひあん)。地元の方を中心に長年愛されている珈琲店ですが、そこで20年間勤務していたというスタッフさんが独立、珈琲音の支店を2020年8月1日にオープンされました。
場所は栃木市の藤岡町。店名は、本店への愛着と創造する場所である “アトリエ” を融合し誕生したという 珈琲音Atelier(かひあん アトリエ)。
場所・外観

一級河川・渡良瀬川沿い(北側)。新開橋や藤岡大橋から近いので車でアクセスするのが便利です。駐車場は店の敷地内にあります。
公共交通機関を利用する場合は、東武日光線の藤岡駅が最寄りになりますがやや距離があり、約20分は歩くことになりそう。渡良瀬川の自然風景を楽しみつつ向かえるので、お散歩がてら訪問してみては。
(徒歩の時間を減らしたい場合や両毛線岩舟駅から行く場合は、本数が少ないものの栃木市のコミュニティバス藤岡線「藤岡文化会館西」バス停が歩いて4分ほどの距離にあります)

珈琲音Atelierは平屋のシンプルな建物でした。コーヒーの生豆をイメージしたというグリーンのドア枠がちょっとかわいい。オープンに合わせて新築された建物なので、まだ新しい印象を受けました。
店外にテーブルとサイクルラックがあり。ペット連れやサイクリストの方々の休憩スポットでも利用されているのでしょうね。
店内の様子
入口のドアを開けるとすぐの場所にウェイティング用の椅子があり、お客さんが座ってお待ちでした。満席かなと思いましたが、念のためその先客の方にに声をかけさせてもらったところ、テイクアウト利用で品物ができるのを待っているとのことで。店内は空いているようですよと教えていただいたので、中へと進みました。声をかけてみて良かった~。

一番奥のテーブルが空いていたので、ひとまず席に着くことができました。撮影の許可はいただけたものの、その後も入れ代わり立ち代わりお客さんがやってくるため、隣のテーブルが空いた時に撮ったこの写真が精一杯。人気なんですね~。
漆喰の白い空間に板張りの床、セミオーダーしたという椅子などこだわりの木製の家具が置かれて、シンプルながらも柔らかく優しげな空間になっています。そして窓がたくさんあるので明るい。(南向きの窓は逆に明るすぎて、ブラインドを下ろしている時も多いらしい) クラシカルな本店とはまた違った雰囲気ですね。
壁沿いのベンチシートに合わせ、テーブルは同じ向きに整然と配置。2人席換算だと8卓ほどあったように記憶していますが、来店人数に合わせて4人席にしたりと流動的に利用しているようでした。キッチン向きカウンターも数席あり。この時のBGMにはジャズが流されていました。

開業にあたり、東武日光線の近くであるこの場所を選んだ当初から “電車を見ながら過ごせる空間つくり” というのを思い描かれたそう。
着席したのがたまたま線路に一番近い端のテーブルだったため、素敵なトレインビューが楽しめました。踏切が近くにあるので、警報機のおかげで電車が来るのが事前に分かるのも良しです。
メニュー概要
自家焙煎のコーヒーと、国産小麦粉などできるだけ安心な素材で手作りしているというスイーツを楽しむラインナップ。フードはトーストくらいしか無いので食事場所としては不向きです。
コーヒーはドリップコーヒーが基本(エスプレッソマシンのメニューは無し)。豆は10種類以上用意されており、焙煎度も浅煎り・中煎り・中深煎り・深煎りのものがあるのでお好みのコーヒーが選べそうです。コーヒー以外のメニューはほとんど無いので、苦手な方はご注意を。

この時は、佐野の珈琲音本店が好きな友人と一緒に訪問しました。私は中煎りの豆からマイルドブレンドを注文。友人は別なコーヒーを選んだのですが、なんとお互いのコーヒーをお味見がてら小さなカップでお裾分けして提供してくださった!
マイルドブレンドは、苦味もありますが軽やかな酸味の方が際立つので、酸味系コーヒーがお好きな方向け。友人のお裾分けでもらった中深煎りのアトリエブレンドは程良い苦味が楽しめるタイプで、どなたにも好まれそうなスタンダードなコーヒーでした。

季節のケーキで桃のタルトがあったので注文。コンポートの桃を使った焼き込みタルトでしたが、良い具合に水分が飛んでいるから味が凝縮して良いですね。意外と甘さは控えめで食べやすく、コーヒーとも好相性でした。

こちらを訪れているお客さんは本店からのファンも多いようです。私たちがお店にいる間もコンスタントにお客さんがやってきており、人気の高さが窺えました。渡良瀬川近郊の自然風景、東武線のトレインビュー、そしておいしいコーヒーとスイーツ・・・楽しめるポイントがいくつもあり、遠方からも訪れる価値のある一店であると思います。
私もこちらを訪れようと思うとわざわざ足を運ぶような場所になるのですが、渡良瀬遊水地付近の観光、そして佐野の「珈琲音本店」と併せてまたいずれ訪れたいなと思います。
店舗情報

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