那須連山の西端にある板室(いたむろ)。
梁から下がる綱につかまりながら腰まである深めの浴槽につかる「綱の湯」という独特な入浴法の温泉があることで知られています。有名観光地の那須高原からも行きやすい場所なので、那須観光に訪れた際には板室まで足を伸ばしてみては。
(綱の湯に入れるのはグリーングリーンか幸乃湯温泉の2か所らしいです。私も未体験なのでいつかは行ってみたいなあ)

板室の観光名所のひとつ「乙女の滝」。乙女の滝の駐車場には休憩所があって、食べ物等を販売していましたが2011年頃に閉店されたそう。
長らく閉じたままだった旧休憩所の建物で、2021年8月2日にグランドオープンしたのが自家焙煎のコーヒースタンド COFFEE ONTARIO 安大略咖啡摊(コーヒーオンタリオ)。
店舗を持たないロースタリー「MEOW COFFEE」(ミャオコーヒー)として活動していた店主さんが開いた、珈琲豆直売所兼コーヒースタンドです。店主さんはかつてこの休憩所でアルバイトをしたこともあり、思い入れのあるこの場所を選ばれたとか。
店名の “ONTARIO” は店主さんが住んでいらしたというバンクーバーのストリートネームから。自分が自分らしく、みんなも自分らしくいられる場所になったらいいなとの想いが込められています。また多様性を大切にしているため中国語表記を付け加えているそうです。
場所・外観

那須高原スカイライン(栃木県道266号)沿いにある乙女の滝。併設の駐車場内にある “乙女の滝休憩所” の文字が入った建物で営業しています。駐車場には20台ほど停められるので、車での訪問が便利。
公共交通機関を利用する場合は、関東自動車の那須ハイランドパーク行きが通る「乙女の滝」バス停が目の前にありますが 土日のみ運行・一日2本程度・冬季は運休(12~3月) のようなので、使うのはなかなか難しそうです。
店内の様子

入店すると女性店主さんが迎えてくれました。基本的にテイクアウト形式のコーヒースタンドなので、店内にあるのはテーブルひとつと注文カウンターと物販スペース程度。

出来上がったドリンクは隣にある板張りの建物「パークレット」でも楽しむことができます。パークレットという言葉は今まで聞いたことが無かったなあ。
なので調べてみたところ、サンフランシスコが発祥と言われ、活用度が低い歩道など道路の一部分を誰でも利用できる公共空間にすることだそう。日本でも神戸など各地で導入され始めているらしいですね~。

オンタリオの営業2年目で設置されたパークレットの中はベンチシートのような造りで、受け取ったばかりのドリンクをさっそく味わうことができて便利です。この場所にいろいろな人が集うという形がまた良いのでしょうね。
メニュー概要
コーヒーはドリップとエスプレッソマシン系どちらもあります。フードやスイーツも少し出しているようですが、基本的にテイクアウトで営業するコーヒースタンドゆえ、前述のパークレット等の屋外で食べる場合がほとんどである点に留意されてください。
またゴミ削減の目的から、マイカップやタンブラーを持参すると50円引きになるマイカップ割を導入しています。行かれる際にはお気に入りのマイカップを持参してみては。

ミントのチャイがメニューにあり興味を惹かれましたが、いかにも人工的なミント味というのは苦手なもので。なので店主さんに少し内容を尋ねましたら、砂糖や化学製品を使わず天然素材で作る「PRANA CHAI」のペパーミントブレンドを使用しているとのことで注文してみました。
ミルクティーの中に優しいミントの風味が感じられ、す~っと清涼感があっておいしい。冷たくして飲むミルクティーにぴったりでした。こういう自然なミント味なら楽しめるなあ。

那須高原と比べて静かだけれど、そのぶん自然風景の美しさが引き立つ板室エリア。
乙女の滝を訪れたら併せて立ち寄れるこのコーヒースタンドは、カフェでゆっくりするほどの時間は無い時やドライブがてら楽しむドリンクを購入するのにぴったり。観光客の方だけでなく地元の方の普段使いにも重宝されているようですよ。


チャイを飲み干したあと、乙女の滝の方へも降りてみました。私が訪れたのは新緑の頃でしたが、紅葉シーズンもまた良さそうですね。滝とコーヒーが一度に楽しめる、良き場所でした。
店舗情報

●訪問記事まとめ●
【初訪問】2022.5 ※この記事
【2度目】2024.5 本日のコーヒー

この日のランチは同じく板室、乙女の滝から車で2分程度の場所にある「手打ち蕎麦 柏屋」にて。私は蕎麦を食べるなら冷たい蕎麦オンリー。おいしかったです。